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顧客とつながるコミュニケーションの重要性

株式会社アクア 佐藤秀政/太田光

ビジュアルとテクノロジーが融合したようなコンテンツ制作を。

●まずは御社の業務について教えてください。

佐藤:イラストや漫画、アニメやデザインなど、ビジュアルを活用したコンテンツ制作がメインの業務になります。ビジュアルコミュニケーション事業として、テレビCMやモバイルゲームのイラストなどを請け負っています。

最近だと、ビジュアルの強みを活かしてクライアントの課題を解決するビジュアルソリューションという分野もあります。例えば、企業理念など、社内教育用の映像にイラストを使ってわかりやすく提示したり、SNS発の人気漫画家を起用したPR用の漫画を制作したりといった、パートナーとなる企業様とディスカッションしながら進めていく分野ですね。

これまでとは違ったクライアントにコンテンツ制作を通じて直接私たちの強みをアピールできるので、今後さらに注力していきたいと思っています。

●ビジュアルに軸を置いて多角的に運営されているんですね。

佐藤:エンジニア採用にも力を入れていまして、ビジュアルとテクノロジーが融合したようなコンテンツの制作も多種行っています。銀座松屋のバレンタイン企画で、キネクトを使ってマンガの中に入り込んだような画像を瞬間的に処理して生成し、それをQRコードで読み取ってSNSに投稿するとか。続けてやらせていただいている「昆虫展」でも、子供が描いたカブトムシの塗り絵をスキャンして3D映像化するとか。そういったビジュアルコンテンツを自前で作れることが弊社の強みですね。

●佐藤さん自身もクリエイター出身とのことですが、クリエイターを経験したからわかることや、運営に携わってわかったことなどありますか?

佐藤:キャッシュフローなど目に見えない領域については、このポジションになってからですね。それはクリエイター側だとわからないことでした。弊社はクリエイターと同規模の営業チームも持っていますし、そうなると営業には営業の考え方もあるので。クリエイター側の要望だけではかたちにならないということは痛感しています。

数字の感覚や、お客様を大事にするという当たり前のところなんですが。社長が営業畑の出身なので、口を酸っぱくして言っていますね、納品のスピードと制作物のクオリティなどの生産性、いいものをより早く、といったことについて、それが普通なんだと。

黙々と制作にあたればよいというわけではない。

●クリエイターとして、お客様ありきで制作していくということが御社の基本理念なんですね。

佐藤:とはいえ、生産性が大事だと言い続けていると工場みたいになってくるんですよね。ムダをなくそうとすると、同じようなことの繰り返しになってくる。だからこそ、意図的に非生産的な行動をとるようにしています。

社内でお絵描きコンテストみたいなことをやったり、コンテンツ研究会と称して、単に自分の好きなものを発表するだけの会をやったり。そのメンバーは自発的にやっていますね。会社の会議室でピザをつつきながら関ジャニのここがいいんだ、とライブ映像を延々見せるとか(笑)。

●営業とクリエイターと、様々な業種の方がいらっしゃると思うのですが、どういった方が多いですか?

佐藤:真面目ないい人が多い印象ですね。イラストレーターは多少、特徴的なところがありますが、バラバラです。ただ、いろんな職種が絡むことが多いので、コミュニケーション能力が高い人ではあると思います。黙々と制作にあたればよいというわけではないですし。

太田:面接ではもちろん画力なども見ていますが、会話をやりとりしていて違和感がないかどうかもとても大事ですね。

佐藤:あとは、素直な人。素直さって吸収力だと思うんですよ。とにかく一度でも話をしてみれば、いい感じかどうかはわかりますよね。あとは、弊社の平均年齢が28歳なので、そこに合うかどうかというところも。別に年齢が高いとダメというわけではなく、そういった環境でもちゃんとコミュニケーションが取れるかというところ。協調性というか、チームワークが業務に必要なことだと感じているかどうかですね。

●企画やアイデアで行きづまったときなど、どのように打開策を出していらっしゃいますか?

佐藤:担当した企画の数や勉強量でどうこなしていくかは変わってきますよね。業務内容によっては企画提案をしなくても成立する部門もありますし、イラストを描いて納品して、という反復だけだと、どうしてもうまくいかない部分が出てくるので、経験や事例など実績を共有する会を設けています。

たくさんの企画が動いているのにその成果を知らないというのはよくないですし。そうすると「うちってこういうこともできてるんだ」という気づきからアイデアが生まれることもあるので。共有することは大事ですね。

小学三年生みたいな絵を描いて、というオーダーもありましたね。

●やはりそこでもコミュニケーションを重視されているんですね。

佐藤:先ほども言いましたが、クリエイターはお客さんありきなんです。お客さんが喜んでくれるものが第一なので、自分が描きたいものを優先してはいけない。もちろん、エッセンスとしては個々人の趣味が入っていてもいいんですが。お客さんは、こういったイメージをうまく伝えたい、資料をわかりやすくしてプレゼンに勝ちたい、といった目的があって発注してくれているわけなので。

太田:最初のクライアントとの打ち合わせで全部、細かくヒアリングするんです。イラストだったら、キャラクターの服装や、そこに描かれるべき外観や天気に至るまで、認識のズレがないように徹底的に聞きます。こちらの想像で補うようなことにならないように。確認をとりながら進める場合は、極端な話、お客さんと電話しながら描いているような感じになります。

●きちんとお客さんの意図を汲み取る能力も必要になってきますね。

佐藤:そうですね。カッコよく見せたいのか、ユーモアを持たせたいのか。絵のプロではないので、企画の意図とイラストのオーダーにズレがある場合もあるんです。顧客が求めているビジョンをしっかり聞き取って、こういったことがしたいんだな、と考えつつ、そのイメージにズレがないようにするんです。それを伝え合いながら進めていく。

太田:営業には絵がわからない人も多いので、そこは制作サイドから教育させます。打ち合わせやヒアリングの練習も。ここでは何を聞き出せばいいのかといったことで、その後の作業に支障が出ますから。

●教育や指導についても、とても力を入れていらっしゃるんですね。

太田:そうですね。イラストに関しては特に、指導・教育のシステムがしっかりしています。ゲームイラスト、絵コンテなど、ジャンル別にトレーナーの役割がいますし。一年間の教育プログラムに細かくチェック項目が設定されていて、すべて数値化できるようにしてあるんです。見て覚えろ、といったことではないので、確実に絵描きとしてのスキルは上達すると思います。そうやってプログラムをこなすことで、担当できる案件が広がっていくようになっています。

佐藤:ちょっと工場っぽい考えではあるんですけどね。スキルは上がるんですけど、このシステムを導入してしばらくしたとき、これだけをやっていればOKというようになってしまった時期もあって。これは違ったなと。精査して少しずつブラッシュアップしているので、今はだいぶ精度が高くなったと思います。

こういったシステムの派生で、独自の人事評価制度もあって。部長手当などをなくして、仕事のパフォーマンスが高ければ、リーダーよりも専門職のほうが稼げるような制度にしています。社内のピラミッドの頂点が管理職というわけではなく、単に役職として捉えていますね。年齢の差も関係ありません。イラストレーターの2年目でマネージャーやリーダーのクラスになることもあります。

●クリエイター志望だと、自分の好きなことが仕事にできることを希望している人も多いと思うのですが、そういったモチベーションについてはいかがでしょうか?

佐藤:これが好きだとか、こういった絵を描きたいといった価値観はあったほうがいいと思います。ただ、求めるレベルは高いので、仕事も一生懸命やってほしい。教育システムもそうですが、何よりもたくさんの案件をこなして顧客の視点や考え方を学んでいくことで、イラストレーターとしては間違いなく成長できる環境だと思います。

太田:イラストといっても、ゲームから絵本まで幅広くありますから。小学三年生みたいな絵を描いてください、というオーダーもありましたね。どうしてもうまく描いてしまうので、かなり悩みました(笑)。自分の描きたいという意欲とこの会社のやりたいことを結び付けられる人がいいと思います。

●会社に染まるようなタイプが望ましいということですか?

佐藤:単純に染まってください、などとは思いませんが、これは難しい話で。個人的にとても納得できるのは「tension to motivation」ということですね。つまり、モチベーションって会社愛に近いものですが、そんなものを若手がいきなり持つわけはないと。最初はテンションなんですよね。仕事をやり切った喜びだとか、難しい案件を乗り切った解放感とか。それが、ポジションや社歴によって、チームをよくしたいとか社内の課題をクリアしたいとか、そういった思いにちょっとずつ変わってくる。それがモチベーションなんだと。

マネージャーの立場から言うと、役割を全うして欲しいだけなんです。とはいえチームではあるから一緒に頑張れる仲間として、一丸となる必要もある。課題があったら、積極的になんとかしようと思ってくれる人だとよりいいですね。私はイラストレーター出身で、たまたま絵を描くよりも経営や会社づくりを面白そうだと思うようになりましたが、絵を描きたくて、そしてうまくなりたくて頑張っているなら、それでいいとも思います。この会社に入って、仕事ができてよかったなと思えるのが大事なので。

佐藤秀政氏プロフィール

多摩美術大学・絵画学科油画科卒。2006年、株式会社アクア入社。イラスト制作を手掛け、たのち、現在は株式会社アクア取締役COO。

太田光氏プロフィール

日本大学・芸術学部デザイン学科卒。株式会社アクアに入社後、イラスト制作全般の進行管理を務める。現在は第一制作部マネージャー。

■株式会社アクア
https://www.aqua-web.co.jp

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